大学入試の頻出度が高い 国宝白水阿弥陀堂を訪問 平安時代の「南無阿弥陀仏」の世界を感じて

大学入試の頻出度が高い 国宝白水阿弥陀堂を訪問 平安時代の「南無阿弥陀仏」の世界を感じて

2016年9月2日福島県いわき市にある国宝「白水阿弥陀堂」を訪問しました。

日本史の教科書にも写真が載っていますよ!

国宝「白水阿弥陀堂」は山川出版の日本史の教科書の口絵⑫に掲載されています。又同じ山川出版の「日本史図録」のP88にも掲載されています。「院政期の文化」に掲載されています。

国宝白水阿弥陀堂のある場所

常磐自動車道いわき湯本ICから7km。車で10分もかからないところにありました。常磐自動車道いわき湯本ICを降りると直ぐに、「白水阿弥陀堂はここから7km」という標識があります。

国宝白水阿弥陀堂は、福島県いわき市の山の中にあります。周りは山に囲まれています。いわき湯本の温泉街までもかなり距離があります。

こんな辺鄙な場所に良く建てたものだと感心しました。車だと近く感じますが、歩くとなると山、坂があります。当時の人の浄土信仰への熱心さが伝わります。

白水阿弥陀堂駐車場から見て

駐車場も無料で大変大きかったですが、休日だと混むでしょうね。私が訪問した時間は10時半頃。大型観光バスが3台いました。

 

IMG_1265

左右の情報看板IMG_1236

 

IMG_1239

国宝「白水阿弥陀堂」以外の国宝は?

阿弥陀堂は全国にたくさんありますが、この白水阿弥陀堂は国宝です。白水阿弥陀堂を建立した徳姫の父親藤原清衡が奥州平泉に「中尊寺 金色堂」を1124年に建立しました。この金色堂も阿弥陀堂ですし、もちろん国宝ですし、世界遺産にも登録されています。私は平泉一帯にも世界遺産登録前に何度か訪問しています。

国宝を私はたくさん見ているはずですが、国宝指定で記憶があるのは、京都広隆寺にある「弥勒菩薩半跏像」です。国宝指定第1号というので、良く覚えています。

日本史の教科書に出ているのはこちら→中宮寺の「菩薩 半跏像」
中宮寺の「半跏像」も国宝です。私はまだ見ていません。国宝第一号の広隆寺の「半跏像」があまりに素晴らしすぎて他の「半跏像」を見たくないという心境なのですよ。どちらも国宝なので見た方が良いと思うのですが。

これらの半跏像は、入試でも良く出題されます。良く見て覚えておきましょう。

どうして「白水阿弥陀堂」と言うの?

丁度観光客の方々のためにお坊様がお話をされていましたので、お坊様の説法に聞き入ってしまいました。建立者の德姫の故郷奥州平泉の「泉」を分字し、「白」・「水」とし、白水と名付けられたとのお坊様のお話しでした。なるほど。もともと名前があった地を付けた名ではなかったということです。

駐車場から続く道

IMG_1260

IMG_1262

国宝白水阿弥陀堂

IMG_1258

IMG_1247IMG_1243

白水阿弥陀堂

国宝白水阿弥陀堂は、約856年前、永歴元年1160年、鎮守府将軍藤原清衡の娘、岩城太夫則道公夫人、德姫が亡夫の冥福を祈るため、この地を選び阿弥陀堂を建立したとのことです。

IMG_1252

浄土庭園

浄土庭園とは? 浄土庭園の詳細はこちら

平安時代中期から阿弥陀堂などの仏堂の前に造園された園池を「浄土庭園」という。私が実際に見たのは、平泉にある毛越寺の浄土庭園です。毛越寺には「曲水の宴」の跡も復元してありました。「曲水の宴」の復元はなかなか見られないと思います。

こちらの「白水阿弥陀堂」にも「浄土庭園」があったようです。現在の庭園は昭和47年から復元されたもののようです。

毛越寺はこちら

曲水の宴はこちら

IMG_1240

 

IMG_1241

IMG_1245

こちらはどんなお堂ですか? お坊様に最後お聞きしました。

阿弥陀堂は、「極楽浄土」を再現しているお堂であると私は、解釈しています。ですからこのお堂の中に入ったらすでに極楽浄土にいると思っています。

お坊様は「この浄土庭園の中に入ったら、すでに浄土の世界に入っています。つまりもう浄土にいるのです。「南無阿弥陀仏」と一言唱えるだけです。」と。南無阿弥陀仏。

一遍上人も空也上人も「南無阿弥陀仏」とただ一言唱えていた人物でした。今年の夏期講習現代文授業でも、一遍上人と松尾芭蕉に関する入試問題を扱いました。文章中にも、ただこの一言「南無阿弥陀仏」と書かれていますが、大学受験生にはなかなか難しい内容でしたね。

一遍上人はこちら

空也上人はこちら

後書き

いわき湯本温泉に日帰りでも、宿泊でも良いですね。そして近くには小名浜港もあるので、観光しながらいろいろな楽しみ方があるので福島を訪問して下さいね。そしてその際には是非国宝「白水阿弥陀堂」の訪問をなさって、平安時代の「浄土信仰」や「南無阿弥陀仏」の世界を体感してみてください。

関連記事

GoTo TOP